クリニックの全体構想を検討する際、必要不可欠なものが開業立地です。
先生がお考えのコンセプトによって
・勤務先から近い場所
・住宅街やオフィス街など、コンセプトに合わせた場所
・自宅から近い場所
など、いろいろな要素から複合的に考える必要があると思います。
もちろん、コンセプトに合致した開業立地でなければ、理想のクリニックを創りあげることができませんが、もうひとつ大事な要素があります。
それが、『診療圏の調査』つまり、その地域の需要と供給のバランスが取れているかといった点です。
内科や整形外科であれば、高齢者が多い地域に需要は多くありますし、人口が増加しているような新興住宅地や学校の近くであれば、小児科や耳鼻科などの需要が高まります。
一方で、人口に対して同じ科目のクリニックが多すぎるような地域では、新たに開業したとしても需要があまりないといったこともあります。
需要と供給のバランスで見た場合には、より需要のある地域であるほうが、開業後のスタートダッシュを切ることができる立地といえるのです。
診療圏とは、簡単に言えば患者がクリニックに無理なく通える範囲のことで、詳しく調査することで、外来患者が何人見込めるか、競合相手としてはどのクリニックを意識すべきかなど、色々なものを把握することができます。
簡易的には、検討先から半径500mから1kmの範囲内の人口や受療率から、診療圏内の1日の潜在患者数を推定し、競合となるクリニックとの関係から患者予測数を割り出すことで、その立地を評価します。
詳細な調査を行う場合には、道路や川などの導線を考慮した診療圏を設定し、年齢別、性別、将来の人口推移などを含めることが重要となってきますが、まずは簡易的に確認し、ご自身のコンセプトと合致する、需要の高い地域を検討することが大切です。